ハウスメーカー建築士の、施主さんには言えない話

ハウスメーカー設計職を両手くらい渡り歩いた建築士が、ハウスメーカーの内情を書き綴るブログ

契約直前の打ち合わせの前に読んでほしいこと~その2~

 
契約直前の打ち合わせに担当者の上司が出てきたら注意!

以前、契約前に確認しておくべきポイントについて整理しました。

今回はその第二弾です。


契約直前の打ち合わせの前に読んでほしいこと~その1~ - ハウスメーカー建築士の、施主さんには言えない話

 

ハウスメーカーにお金が入るタイミング

家を建てるなかで、ハウスメーカーが利益を得るタイミングは3回あります。
①契約した時
②設計図面が全て確定した時
③引き渡しの時
です。

それぞれ
①は営業
②は実施設計担当者
③は施工会社
が関わりクロージングや作業を進めます。

③の施工については、提携の工務店(つまり別の会社)とハウスメーカーの契約ですから施主さんには関係ないので割愛します。

各担当者には、期日までにあの手この手で施主さんを言いくるめてコントロールし期日までに納得させる能力が求められます。愛嬌のある人柄、親身さ、話術、的確なヒアリングとわかりやすい説明…やり方は人それぞれですが、結局、各担当者の社内評価は、毎月末の占め日に①~③を安定的に間に合わせられるかどうかで決まると言えます。

 

あなたの担当者の上司の仕事は?

ハウスメーカーの管理職(住宅展示場の所長や、営業部設計部の肩書ある人達)のもっとも重要な仕事は、各担当者の①~③の進捗を把握し、月末までに決められた売り上げ目標・契約棟数に届かせることです。
各担当者の打ち合わせの状況を把握していて、今月はA邸とD邸がイケそうだなと判断したら、その担当者にはっぱをかけてなんとしても契約させます。出来ない営業・仕事の遅い担当者・経験不足の半人前担当者の場合には、問答無用で打ち合わせに同席して契約の手助けをします。
打ち合わせの内容が不足していても強引に契約し会社の業績を安定させるのが管理職の務めなのです。

 

もし、打ち合わせにいきなり担当者の上司が同席してきたら…

それは、契約を急いでいる証拠です。
勿論全部がそうとは言い切れません。営業・設計が一人前になるまでの間、上司や年上の別の担当者が同席し見本を見せる事自体は、人材の育成のために必要ですし悪いことではありません。上司が担当者のフォローをしてくれるなら施主さんの利益につながります。

しかし一方では、

ほかの物件の契約が取れそうになくて今月の契約棟数に届かないと焦っているか、
あなたの担当者がその上司から見て未熟で仕事が遅くて出来ないから心配で出てきている可能性も大きく警戒が必要なのも確かです。

 

一応、この可能性を頭に入れて、今までの話し合いで足りない部分がなかったか振り返ってみることをお勧めします。

 

実際にあったエピソード

住宅展示場勤務の時、住宅展示場の所長(つまりそこで一番偉い人)が打ち合わせに出てくると、所長さんが挨拶してくれるなんて!と喜ぶお客さんがたまにいらっしゃいましたが、全然喜ぶようなことじゃありません。
勿論全てのお客さんに挨拶するポリシーをお持ちの展示場・所長さんもあると思いますが、大抵は営業の進捗とお客さんの反応を生で確認するために来ているのです。
前に一回挨拶しておくと、契約直前の打ち合わせにだけいきなり同席しても不自然でないですからね。

 

あるハウスメーカーにいた時は、営業職の上に営業マネージャーというような肩書を持つ人がいて営業を統括・管理していました。新しくその職になったAさんは仕事は出来るのですが非常に強引で上手い話術で勢いで契約させるタイプで、仕事の出来ない人の気持ちや事情を一切鑑みない強引な人でした。

よく成績不振の営業の契約直前の打ち合わせにマネージャー権限でいきなり同席しては、打ち合わせの前後の文脈を無視して契約の話だけを強引に進めていました…結果Aさんが同席した物件がほとんど破談になり怒ったお客さんからクレームをもらう事態に発展。

Aさんのように「あっ契約させるために来たんだな!」と分かりやすければ、逆に良いのかもしれませんね。

 


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